近現代史
中学校・高校の校外行事では、ディズニーランドが行先の候補として挙がることが多いかと思います。しかし、校外行事とは「学習」も兼ねるもの。果たしてディズニーランドから、我々は何を学習することができるでしょうか。一例を考えてみます (あくまで骨子…
—比較社会学における問題の検討と、「人々の作り上げ」を考慮することの必要性について— Ⅲ カーストにおけるヨーロッパとインドの相互作用 ― カーストの構築性について (1) ヒンドゥー教の発見と構築 (2) 法分野におけるカーストの実体化 (3) 国勢調査におけ…
—比較社会学における問題の検討と、「人々の作り上げ」を考慮することの必要性について— Ⅰ. 序 ― カースト研究の検討を通じて、比較社会学における課題を明らかにする Ⅱ. ルイ・デュモンの比較社会学 ― インドとヨーロッパの違いをどのように捉えるか (1) デ…
2. 以上のまとめで見逃されるもの しかし、以上のまとめ方では新旧優生運動の重要な側面をいくつか見落としてしまう、というのが私の見立てです。今日の優生運動を評価するという本記事の目的のために、前節のまとめでは捉えられていない新旧優生運動の共通…
*2015年に作成したレポートを元にしています* Ⅰ 序 優生思想は、歴史・現代社会に関わる重要なテーマです。高校社会科でも、公民の分野において中心的に取り上げられています。本記事では、第二次世界大戦前の優生運動 (以下、旧優生運動とする) と今日の…
旧版『映像の世紀 第2集』に付録としてつけられている小冊子から、プロパガンダの歴史について話をしてみたいと思います。 『映像の世紀 第2集』は第一次世界大戦、とくにそこにおいて戦略がどのように変化したのかに注目したドキュメンタリーです。騎馬と大…
先日、『20世紀の歴史』をまとめました。 もう少し、木畑『20世紀の歴史』について掘り下げておきましょう。 〇 コメント:本書の意義と、本書を読み解く視点 まず、本書の意義を明らかにしたうえで、次に「国民国家の形成」と「地域統合」という視点から本…
本書は20世紀の歴史を、植民地化されていた地域まで視野に含めながら記述しなおすものです。西洋中心の歴史観から見ると第二次世界大戦と冷戦の間には何か大きな分岐があるように見えてしまうのですが、植民地にとってはそうではありません。戦後、彼らにと…
6. 法意識論の限界 以上で、冒頭で掲げた (1)(2)(3) の問いを法という観点から扱うことができたかと思います。(1) 法分野における近代化とは、宗教の分野が衰退し法システムが分出することに求められるが、(2) 日本においてはその分出が不十分な側面があり、…
5. 隣人訴訟における法意識 ― 訴訟は冷淡であり、人間関係を壊すものである 訴訟回避の話に戻りましょう。穂積は個人主義的なボアソナード民法が「冷淡」であるとしたのですが、このように考える精神はどこかで訴訟回避の話へとつながっているように見えます…
4. 「民法典論争」における法意識 ―「私権」は極端個人本意であり、忠孝を滅ぼすものである 紹介した青木の著書は新書でありかつ内容も平易なので、数時間あれば読むことができます。そこで、ここでは著書の内容を大きく取り上げるのは避けることとし、代わ…
3. 日本人と法意識論 ― 〈これは法=権利である / そうではない〉と問う姿勢は日本に根付いたのか 村上の論の細かい妥当性はさておき、確かに日本人は訴訟という事態をアブノーマルなものと捉えているように見えます *1。それは訴訟件数を比較してみるだけで…
2. 法と近代 ― ルーマンの機能分化論から まず、世界史における「近代」とは何でしょうか。それをどのようなものとして捉えればよいのでしょうか。 社会学者ニクラス・ルーマンは、近代化を諸システムの機能分化という観点から捉えました。その内容の一部を…
1. 新教科「歴史総合」を見据えて ― この教科の内容を充実させるためには、何を考えねばならないか *1 新教科「歴史総合」を控えて、多くの社会科教員は少なからぬ戸惑いを覚えているかと思います。その戸惑いの内実は様々であると予想できるのですが、何よ…